あんでるせんで行われている念写について



では、あんでるせんで行われている念写の写真を見てみましょう
あんでるせんの念写について検索をすると、幾つか実際にあんでるせんで念写された写真を見つけることができます

下記のサイト内に「念写」と書かれてその写真が貼られています
あんでるせんの念写写真 1

この あんでるせんの念写写真 1 のサイトに関しまして
ここは「多重露出撮影法」や「念写」について説明しているページですから最低限のコメントに留めますが
サイトの一番上に 「継ぎ目のない矢」(解説) を超能力のように堂々と載せている辺りを見ると
完全に「信じ込んでしまった人」のようです
ですが、この写真の主を批判するつもりは全くありません
彼はあんでるせんの「マジックを超能力と思わせる演出」に騙されてしまった被害者であり
そうなると「不思議なもの」と聞くやすぐに「超能力」と結び付けてしまうようになります
批判すべきはこのような調べればすぐに解明できるトリックでも信じ込んでしまうような人間を産み出している演者本人です

話がそれましたが
念写写真についての説明に入ります
改めて
あんでるせんの念写写真 1
の「念写」と書かれている部分の画像をご覧下さい

男性の頭の部分にトランプのカードが映し出されています
おそらく「記憶したカードを思い浮かべてください」という演出の下に行われたものだと推測しますが
多重露出撮影法を用いて、この「ダイヤの6のカード」の写真を先に撮影しておき、後から誰かの写真を重ねて撮ると、こういう写真を作ることができます
これでこの画像が「多重露出によって作られた画像」であることは納得できたかと思いますが、まだ疑問に残ることがあります

それは
・あらかじめ「ダイヤの6のカード」を撮影しておいたのなら、他のカードを引いていた場合はどうするのか
・カードが頭にめり込んで見えるのはなぜか?頭で思い描いたイメージが写ったのではないのか?
ということです

前者については
マジシャンは自分が相手に引かせたいカードを、あたかもお客さんが自分で選んだかのように思わせて引かせるテクニックを持っています
タネ明かしをする訳にはいきませんが、技法名を「フォース」といいます
「フォース」にも数々の方法があり、そのどれもが巧妙に作られていてます
例えば「フォース」の解説を読んでも
『そんな方法でお客さんが勘違いする訳ないだろう』
と思ってしまうほどです
また、予言マジック等でも「フォース」はよく使用され、あらかじめ紙に書いておくこともできますし
直接的な方法では『今からスペードのAを引いてもらいます』と言って実際に引いてもらうことも可能です
つまり、当て方の違いでしかなく、あんでるせんでは「多重露出撮影法」と組み合わせて「念写」のように見せ
やってることは「カード当て」や「予言マジック」と同じであり、バリエーションの一つでしかないということです

後者についてはもっと単純です
準備段階で「多重露出」の1回目の撮影の際に、「ちぎったカード」を撮影しているだけです
そして、ファインダー越しに「画のどのあたりでカードを撮影したか」を覚えておき
演技の際にその場所にお客さんの頭が来るように合わせて撮影すれば、この写真の完成です
これから他の念写写真も紹介しますが、この調整が上手く行かずに、頭にめり込んでいるいるように見えない写真もあります
その写真でも、カードは不自然に角が千切れています



ここまで読み進められた皆様には「多重露出撮影法」で撮られた写真であることは納得頂けたかと思いますが
あんでるせんの念写はこういった「カードを当てるだけ」には留まりません
「母の顔が写っていた」や「友人の顔が…」
更には他にも色んなものが写りこんでいたという、実際にお店に行った人からの報告があるからです
ネット上の書き込みだけでは、その真偽を明らかにできず
書き込み自体が嘘であることも考えられますが
ネット上で「顔が写っていた」という念写写真も見つけることができました
こう言った画像付きでの情報は非常に参考になります
書き込むだけなら誰でも何でも書くことができますが、その証拠を同時に示しているので信憑性も増しますし
検証も非常にやり易くなります


これから紹介するのは「顔が写っていた」「顔以外に別のものも写っていた」という写真です

あんでるせんの念写写真 2

この写真には、カードの他にも「多重露出撮影法」によって写り込んでいるものがあります
・左の男性の頭付近の「タバコ」
・右の男性の頭付近に「500円玉」
・右の男性の胸付近の「女性の顔」
です

いずれも「多重露出撮影法」によって写し込んだものですが
このように、複数のものを写し込んでマジックに取り入れることも可能です
あんでるせんの巧妙なところが、こう言った応用にあります
「思ったカードを当てる」というマジックで最後に写真を見せる時に
カードは当然ですが、別のものも一緒に写し込んだ写真を使用する場合があります
お客さんは「念写でカードが当てられた」と驚くと同時に
「人の顔まで写っている!!」
と、まさかの展開に2度驚くことになります

この驚きの最中にマスターから
「この顔に見覚えはありませんか?」
とでも聞かれれば
あとはお客さんの解釈次第で
「母に似ている」「友人に似てる」「昔の学校の先生に似ている」等々…
興奮している精神状態では簡単に「思い込み」によって似ている人物を割り当ててしまいます

ここで仮に、写り込んだ人物に全く心当たりがなかったとしましょう
それでもショーを続けるのに何の問題もありません
「これから会うことになります」「過去に会ったことがあるはずですが、忘れているだけです」…
とでも言えば、意味あり気な雰囲気を残したまま終わることができます
マジシャンがお客さんに質問をする時、そのほとんどはどんな答えが返ってきても対応できるように準備しているものです
「似ている」「似ていない」のように、「YES、NO」で答えられる質問なら尚更です

他に、「タバコ」と「500円玉」が写り込んでいます
このショーを実際に見ていた訳ではないので、私のなりの推測ですが
あんでるせんには、店に入ってからショーが始まるまで、約2時間に及ぶ待ち時間があります
この長すぎる待ち時間に関する批判は多々あるようですが、ここでは別の観点からこの時間を考えて見ましょう
もしこの2時間の間に左の男性がタバコを吸っていたらどうでしょう?
普段からタバコを吸う人であれば、2時間も持たされれば大抵は吸わずにはいられません
そして店内では注文を聞きに来たり、メニューを運ぶマスターの奥さんが右往左往してます
奥さんを通じてマスターは店内の状況を知ることができますが
「あの男性がタバコを吸っていた」「そのタバコの銘柄は『LARK』だった」という情報まで得られます
情報が得られたなら、早速「多重露出」でその銘柄のタバコを
そしていつもやってるであろうカード当て用のカードも写し込んで、「その日の為だけの念写」の準備ができます
この方法では真ん中の女性の、写真では左側にタバコを吸った男性を並ばせなくてはなりませんが
ショーの前に奥さんがせっせとお客さんをカウンターの前に並ばせます
整理しているように見せて、任意の並びにすることも可能です

もし並ばせるのに失敗しても問題ありません
カード当て用のカードだけを「多重露出」で撮影したカメラを別に準備しておけば、それを使用するだけです
これならお客さんの誰に使っても問題ありませんし
ネット上で「カードだけ念写」してるパターンと
「カードと一緒に別のものも念写」してるパターンが存在している説明が付きます
また、並び等を間違っても最終手段として「今日は念写をやらない」という選択肢もあります
マジシャンは、このように失敗した場合にそなえて別の準備をしておくのも当たり前の行為です

「500円玉」の方はどうでしょう
これはショーの最中に500円玉を使ったマジックでも行えば事足ります
念写して写った500円玉を見て
「あ、あなたはさっきの500円がまだ気になってますか?」
とでも言えば、多少の笑いがとれます


このように、一つの現象の中に様々な仕込みを入れることで
より神がかった雰囲気を作り出すことができます
失敗したときの為にバックアップまで準備しておくこともできます
これだけ用意周到に仕込んだマジックが成功した時は、お客さんが受ける衝撃も凄まじいものになるでしょう
その衝撃が大きかったからこそ、わざわざネット上で写真を紹介するまでに至ったのだと思います
あんでるせんのマスターはショーの中で「超能力」と自分の口から表現することを避けていますが そう言われなくても…
むしろ、念を押して「手品ですよ」と言われるまでお客さんは「超能力」と勘違いし続けてしまうでしょう


最後にもう一枚、あんでるせんでの念写写真を紹介します

あんでるせんの念写写真 3

「カード当て」と同時に、女性の後方に少しお年を召した女性が写り込んでいます
例によって「多重露出撮影法」で撮られた写真であり
撮影された女性は、写り込んだ女性が自分の母だと自ら関連付けてしまったようです
さきほども述べた通り、ここで写り込んだ女性に全く心当たりがない場合でも問題はなかったのですが
この写真からは、あんでるせんの別の巧妙さが伺えます

それは「偶然」を利用することです
毎日毎日ショーを行っていれば、時々は「偶然」というものが起こります
それには様々なパターンがあり
・カード当てを2回やったら1回目の時と同じカードだった
・引いたカードが特徴的(スペードのA、ハートのA、ジョーカー、等)だった
・手伝ってもらうお客さんを選ぶのにマスターとジャンケンをしたら、1度に全員負けてしまった
等々…

この様な偶然が起こった時に
「今日はいつもより調子がいいです」「よりパワーを感じますね」
とでも言えば、一層不思議さを増すことができます

あんでるせんの念写写真 3
においても、ある偶然が大きな効果をもたらしています
リンク先のブログから台詞と引用させてもらいますと

>「私の耳が、母の手になっちゃってるんです」
>「襟元の形から、随分昔に来ていた洋服なんです」

という偶然です

この様に、お客さん自身がその偶然で自ら関連付けを行い「奇跡」のように思い込むパターンも
毎日の様に繰り返し行われるショーの中では起こってきます
この女性のように「自分だけの特別性」を感じることが起こると
それがたとえ偶然であっても、その不思議さはまさに神がかったものになります

そして神がかった現象であればあるほど、トリックのある現象を「超能力」のように思ってしまいます
あんでるせんのマスターはそう言った勘違いを意図的に起こさせており
「超能力ですか?」の問いに対しても、応えの代わりに別の不思議な現象を見せるという行為を行っています
自らの口で「超能力ですよ」と明言することは避けて、代わりに不思議な現象で応える
暗に「超能力ですよ」と言っている行為であり
お客さんが「やっぱり超能力なんだ」と勘違いするように仕向けています

もし、読者の方があんでるせんに行かれる場合は
くれぐれもここで読んだことを忘れずに
あくまで「マジック」として見られることを強く願います
変な勘違いを起こされること無く、2時間に及ぶ待ち時間に目をつぶり
そこから更に2時間の立ち見も視野に入れて、賛否両論ある料理が舌に合うようであれば
安価でマジックを見られる場所であることに変わりはありません



あんでるせんの念写について、ここまで説明してきましたが
結論として、決して超能力などではないことをご理解頂けたかと思います
最後に断っておきますと、今回リンクを貼らせて頂いたサイト等に関してまして
批判や誹謗中傷等の迷惑をかける行為は全く目的としていません
あくまであんでるせんの念写について、超能力でないことを説明するためにリンクを貼らせて頂きました
リンク先にはコメント欄が用意されていることろもありますが、そこで発言等行う場合は十分な熟考の上でお願いします



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